「TIDAL」FIONA APPLE | 君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

中学から買い始めたCDがあまりに増え、自分で何を持ってるか把握出来なくなってきた。そのため同じCDを2枚買うという事件を産むこととなる(4回)。

この悲劇を五度繰り返さぬよう一枚一枚確認していこうという、

ブログにするほどでもない内容のブログなのだ。

tidal

昨日、FM802で素晴らしい曲を聴いた。
ジョニー・キャッシュの「HURT」という曲。
ナインインチネイルズのカヴァーだ。

もう3年も前にリリースされた曲なので、
ご存知の方も多いと思うが、
恥ずかしながら俺は昨日初めて聴いた。

家に帰りネットで調べると、
曲もさることながら
PVも非常に高い評価を受けている事を知った。

そして、今までは名前しか知らなかった
ジョニー・キャッシュという人物が、
音楽界に於いて非常に重要であったことを知り、
慌てるように彼の半生を綴った映画
「ウォーク・ザ・ライン~君に続く道」を観に行った。

という訳で以下はその感想を語るので、
まだ観ておらず、且つこれから観ようと思ってる人は、
10年以上かけて好きなコにアタックしてて下さい。



まず、前半で彼が如何にしてミュージシャンになったかが語られる。
プロになる切っ掛けとなる、
サン・レコードのプロデューサーから訓辞を受け、
信心深い田舎の兄ちゃんが、
ロックンローラーに変貌を遂げる。

俺はジョニー・キャッシュという人は、
只のカントリー歌手としか認識していなかったのだが、
彼はエルヴィスやジェリー・リー・ルイスらと共に、
ロックンロールを創成した一人なのだ。

この辺りの手触りは昨年観た
レイ・チャールズの映画「Ray」と非常によく似ている。
ジャンルは違えど、共に同じ時代に産まれ、
ロックミュージックを自分の手で産み出してきた二人だ。
似て当たり前なのだろう。

そして、この二人だけでなく
当時のミュージシャンが
皆そうであったように(今もか?)
数多くの女を抱き、
酒とドラッグに溺れる。

もう一つレイとの共通点は、
幼い頃に観た、兄弟の死、という所だ。
(このお兄ちゃん役の子役が妙に上手い)
これがトラウマとなってドラッグ中毒と綯い交ぜになり
後々まで自らを追い詰める、という所もそっくり。
因みに、偶然なのかジョニーを演じるホアキン・フェニックスも
若い頃に兄リバー・フェニックスを亡くしている。

そんなジョニーが全編通して恋い焦がれる相手が、
同じミュージシャンのジューン・カーターという女性。
演じるは「金髪の濱田マリ」ことリース・ウィザースプーンだ。

結局この映画ではジョニーの苦悩も生きる意味も、
ジューンに対する愛情の中にある。
特に後半はほぼその描写で埋められる。
最初はリースの面白い顔に
「そこまでするほどいい女なの?」と思って観てるのだが、
途中からどんどん魅力的に見えてくるんだから映画って不思議。

この映画の一番の見所は
やはりホアキンやリースが自ら歌ったという
数々のライブシーンだと思うのだが、
その中でも刑務所でのライブが非常に格好いい。
まるでメタリカだ。

とりあえず、俺の頭に
ジョニー・キャッシュという人物と音楽がインプットされた。
これからカントリー方面のCDも漁る事は決定で、
尚も広がるCD棚の音楽の幅に頭を抱える次第なのである。


ジョニー・キャッシュは晩年のアルバムは
アメリカン・レコーディングというシリーズで、
かのリック・ルービンがプロデュースしている。

その中でU2やトム・ペティや
色々なアーティストと共演しているようなのだが、
その中でフィオナ・アップルと共演している曲もあるらしい。
これは是非聴いてみたい。

というわけで、フィオナで。

TIDAL。
「真実」の後で聴いたので、衝撃は薄かったが、
これがデビュー作と考えると、
やはりとんでもない才能だということが分かる。


あと、一つ。
この映画を観てから
もう一度「HURT」のPVを観ると深みが増します。


Fiona Apple
Tidal