「電気の武者」T.REX | 君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

中学から買い始めたCDがあまりに増え、自分で何を持ってるか把握出来なくなってきた。そのため同じCDを2枚買うという事件を産むこととなる(4回)。

この悲劇を五度繰り返さぬよう一枚一枚確認していこうという、

ブログにするほどでもない内容のブログなのだ。

denkinomusya

ドンキーコング、ゴリライモ、
ゼンダゴリラ、竜雷太、高阪剛……、

一口にゴリラと言っても世の中には様々なゴリラが存在する。
そして、その殆どがメインではなく脇に甘んじている。

しかし、本当にゴリラではメインは駄目なのか?
無骨で不器用で男らしい男は今の時代ではやはりモテないのだろうか?


と言う訳で、ようやく「キングコング」を観てきた。
以下にはその感想を書くので
まだ観ておらず、且つこれから観たいと思ってる人は
原住民にチョコでもあげててください。


で、ようやく土日に身が空いたので、
いざ観に行こうと思ったら、金曜で軒並み終わってた。
阪神地区で残ってたのが千日前セントラルだけ。
それも朝10時の一回だけ。
終わるの早くない?
やっぱり、ゴリラはモテないのか。

でも、行きましたよ、早起きして。
関西人で観たいと思ってる人は
次の金曜までに道具屋筋へ走れ!


さて、内容なのだが、
エンターテインメント作品としては
ほぼ完璧なのではないか。

そっからどうやってコング持って帰ったの?とか、
ナオミ・ワッツ丈夫過ぎない?とか、
帰り道は原住民は何もしてこないの?とか、
そういうチンケな疑問は一切無視!
面白い所だけを数珠繋ぎにすれば、
面白い映画は出来るのだ!

同行したB.U.Pには、
やはりナオミ・ワッツとコングの
愛情のやりとりにグッと来ていたようだが、
男の子なら髑髏島での怪獣総進撃に胸を躍らせるだろう。

ティラノザウルス3匹VSコング
(ナオミを持ってるので片手で)のハンディキャップマッチには、
猪木VS国際軍団を思い出した人も多いのではないか。
その末のタイマンでのド迫力のロックアップ!
昭和プロレスがスクリーンに蘇る!

ナオミ捜索隊VS虫軍団の総当たり戦も見事。
キッチリ気持ち悪い虫を描いて見せている。

ただ、かのブレインデッドの監督の割に、
流血量や残酷描写は案外少ない。
オリジナルに敬意を表し、
品格を失する事を避けたのか?


とにかく面白シーン満載のこの映画だが、
序盤は人間関係、背後関係などの説明や掘り下げに終始する。
凡百の監督ならこういうシーンは退屈になりがちな所を、
天下のPJは飽きさせない。

見事な30年代世界の作り込み、
各人物が背負う必要以上のドラマ(その後全部捨てる)、
ジャック・ブラックの顔、
エイドリアン・ブロディの顔。
3時間もあるんならここ削れ、という意見もあるだろうが、
この序盤があるから、この映画は超一流となり得、
この後の荒唐無稽な展開にグッと深みが産まれるのだ。


ラストシーン、コングは健闘虚しく、
凶弾に倒れ、地面に叩き付けられる。

新聞記者「飛行機が止めをさした」
ジャック・ブラック「飛行機じゃない、美女が野獣を殺したんだ」
(ビューティ キルド ビーストとかなんとかかんとか)

俺はこの台詞にどうも違和感を感じた。
観賞後、中華料理屋でずっと考えていたのだが、
アレは「美女が野獣を殺した」ではなく、
「美しさが野獣を殺した」と訳す方がニュアンスは近いのではないか。

この台詞はその前の記者の
「何故あんな逃げ場の無い所に逃げたんだ?」
という台詞に対しての言葉だ。

コングはナオミ・ワッツと一緒に眺めた故郷の風景が見たかった。
美しい風景を愛する者ともう一度観たいと思う気持ちが、
コングを死に追いつめた、という意味だったのではないだろうか?

ナッチ、どう思う?

それにしても、
そんな台詞を人事のように吐き、人事のように去っていく
諸悪の根元ジャック・ブラックは最高!


結論としては、
ゴリラな男が幾ら頑張っても、所詮「いい人」止まりで、
結局辻仁成的な作家風情がモテる、ということ。
ついでに客も入ってなかった。
つまり、今の時代ゴリラはモテない!
残念!


本日のベストアクトは、
やはりティラノザウルスのやられっぷり。
という訳で、T.REXで。

グラムロックの代名詞とも言えるバンド。
名曲「GET IT ON」も収録。

今話題のエル・プレジデンテを耳にすると、
何でかこのバンドを思い出す。
リヴァーブ具合が似てるのかな。


T.レックス
電気の武者



Marc Bolan / T. Rex
Electric Warrior