「まぼろしの世界」The Doors | 君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

中学から買い始めたCDがあまりに増え、自分で何を持ってるか把握出来なくなってきた。そのため同じCDを2枚買うという事件を産むこととなる(4回)。

この悲劇を五度繰り返さぬよう一枚一枚確認していこうという、

ブログにするほどでもない内容のブログなのだ。

strangedays


ママ「のび太、ドラちゃん、おやつよ。
   はい、ドラちゃんの好きなどら焼き」

のび太「わーい、部屋で食べよう」

ドラえもん「そうしよう、そうしよう」

のび「ムシャムシャ。
   どら焼きはおいしいなあ。

   でも、ドラえもん、
   前から思ってたんだけど、
   ドラえもんはロボットなのに、
   どうして食べ物を食べるの?」

ドラ「それは、食べた物を原子炉で分解して
   エネルギーに変えてるんだよ」

のび「ふーん、随分非効率な事するんだねぇ」

ドラ「……本当の理由を知りたいかい?」

のび「本当の理由?」

ドラ「そう、本当の理由。
   ロボットである僕が何故どら焼きを食べるか」

のび「う、うん」

ドラ「僕たちロボットは22世紀までに、
   格段の進歩を遂げた。
   特に人工知能がね。
   容量、演算能力、処理速度、
   どれをとってもロボットのA.I.は
   人間の脳を超えてしまった。

   ただ一つ、僕たちが理解出来ないものがあった。
   文化さ。

   僕たちは無駄な事はしない、いや、出来ないんだ。
   ところが人間は無駄なモノを好む。

   そこが理解出来ない事には、
   真に僕たちが人間を超えたとは言えない。
   このままでは人間達は文化を理解しない僕たちを、
   永遠にただの道具だと思い続けるだろう。

   だから学ぶ事にした。

   人間文化の中でも最も重要と思われるのが食文化だ。
   それでわざわざ摂食出来る機能を作ったんだよ。
   君たちの心を少しでも理解するためにね」

のび「……ふーん。
   で、ロボットは食べることの楽しさが分かったわけか。
   ドラえもん、食べるの好きだもんねぇ」

ドラ「ああ、よく理解出来たよ。
   美味しいと感じる味覚のシステムも解った。
   過食を止めようとしない愚かな人間の気持ちも解った。
   
   そして何より、別の生物を捕食する、
   という快楽もね」

のび「…ド、ドラえもん、何か怖いよ」

ドラ「怖い?

   僕に恐怖を感じるかい?
   成る程ね。
   今の僕にはそれも理解出来る。
   
   僕がネズミが嫌いなのは知ってるね?
   あれも君たち人間の心理を理解する為のプロセスさ。

   僕たちは恐怖も皆目解らなかった。
   いくら恐怖に近い反応をプログラミングしても、
   それは恐怖ではなく、ただの拒否だ。

   そこで僕は一つの擬似記憶を頭に放り込んだ。
   そう、いつか君にも話した、
   『ネズミが僕の耳を囓った』ってヤツさ。

   擬似的に作られたトラウマにより、
   僕はネズミに恐怖することに成功した。

   どうすれば人間は恐怖を覚えるか?
   人間は何を一番怖いと感じるのか?
   僕はその全てを把握した。

   僕は人間の全て理解し、
   その全ての情報は二進法に置き換えられ、
   プログラムに組み込まれた。

   僕は人間を超えたんだ」

のび「ドラえもん……」

ドラ「のび太くん。

   君には感謝している。
   君には多くを学ばせて貰った。

   いくら僕が色んな実験を試そうと、
   それらは結局シミュレーションに過ぎない。

   我々は文化を、つまり人間の無駄な部分を知るためには、
   どうしてもサンプルが必要だったんだ。

   そのため、22世紀以前の全人類をリサーチした。
   その結果、マザーコンピュータは一人の少年を選んだ。
   人間の無駄な部分を知るために選ばれた、
   人間有史以来、
   最も快楽に弱く、
   最も愚かで、
   最も無駄な人間。

   それが、野比のび太、

   君だ」

のび「……最も無駄な人間……」

ドラ「もう少しこの時代に居ようと思ってたんだが、
   君の不意な質問によって、
   帰るのが少々早まったな。

   僕は今から22世紀に戻って、
   得た情報をマザーコンピュータにダウンロードする。
   そして新しくプログラムされたA.I.を
   搭載したロボットを量産する。
   22世紀からロボットが地球を支配するのさ。

   多少の抵抗は人間共もするだろうが……、
   まぁ何れにせよ、あと58年で死ぬ君には何ら関係ない。
   心配しなくていいよ。

   君は宿題やジャイアンとスネ夫の意地悪の
   心配でもしていろ。

   さて……。
   これ以上は時間の、無駄、だな。
   それじゃあ、そろそろ行くよ。

   さようなら、のび太くん」


そう言ってドラえもんは机の引き出しにスルリと入っていった。

のび太は慌てて追いかけ、引き出しを勢いよく引いた。
しかしそこには、
昔隠した0点のテスト答案があるだけだった。

~THE END~


mixiの方でエジンベアさんから、
「ドラえもんのどら焼きって、
どうやって消化してるんですかね?」
というコメントを頂き、
その事を仕事中ずっと考えてたら、
ここまで話が拡がってしまい、
結果的にドラえもんの最終回を書いてしまった。

俺は一体何をやってるんだろう。
全く、どこかへ行ってしまいたい。
ドラえもん、何か出して!!

(チュピチュピーン!)

どこでもドアーズ!!

ということで、
ジャケにドラえもん風(初期)のおっさんが居るドアーズの2nd。
左下には白木みのるも!!

あんまりドアーズ方面には明るくないのだが、
歴史的名盤との声も高い。
1stのような解りやすい爆発力は無いが、
より独自の世界観が濃くなっている気がする。


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