「孤立無援の花」eastern youth | 君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

君、ちょっとCD棚の整理を手伝ってくれないか。(仮)

中学から買い始めたCDがあまりに増え、自分で何を持ってるか把握出来なくなってきた。そのため同じCDを2枚買うという事件を産むこととなる(4回)。

この悲劇を五度繰り返さぬよう一枚一枚確認していこうという、

ブログにするほどでもない内容のブログなのだ。

koritu

木曜、何故かタモさんのサングラスが、
シャープな、言うなればギターウルフチックなものに
変化しており、
流石タモさん、カッコいい!!
と思った矢先、今日は元に戻っていた。
一体何だったんだ。

それはともかく、sal cultureの続き。
もう一週間経っちゃったよ。


Birthdayが終わり、かぶり付き客も退き、
次の方のサウンドチェック。
帽子を目深に冠り、がたいも良いため、
何者か全く分からなかったのだが、
どうやら外人で女性。

このイベントは規模的にも邦楽オンリーだと思ってたら、
何と外タレも招聘していた。
TARA JANE O'NEILなるアメリカ人らしい。

奇妙なマイクに息を吹き、
そのブレス音をループさせ、
奇妙なリズムを作り、
奇妙なドラムがそこに乗り、
独特の世界を構築させていく。

基本はギター一本での弾き語り(withドラム)で、
非常に気持ちよい音楽を鳴らしてはいたが、
ここでは音楽的にも、言葉的にも多少アウェイ感あり。
もっと環境の良い狭い所で聴いてみたい。


タラちゃんが終われば、
またステージ前は人で覆われる。
今、若手の中でも非常に名前を良く聞く、
9mm Parabellum Bullet。
アタリっぽいうるさいデジタルハードコアに乗って、
若者登場。

印象としては、最近やたら多い気がする、
繊細meets轟音な感じで、
音がでかい割にボーカルが弱く、
こちらの予想を大きく超えるものは無かったのだが、
それでも、今持ってるものをとにかく全部ぶつけてやろう、
とでも言うような怒濤の勢いには好感。

特に上手のギター君が動きが
バカっぽくて多分メタルが好きで、
一人で童貞臭さを演出してて良い。

ステージ前もプチモッシュピットが出来てた。
是非また観たい。


小谷美紗子さんは、
エゾで一度バンド編成のものを観ているのだが、
その時はイマイチピンと来なかった。
この日もその印象を引き摺っており、
期待値は低かった。

下手から下膨れの女性が出てきて、
何かのスタッフさんと思ってたら、
その人はグランドピアノの前に座ってビックリした。
小谷さんってこんなにお太りになられてたっけ。

しかし、いざ歌えばかつての印象は吹き飛び、
和製フィオナ・アップルとでも言うべき、
怨念に溢れた見事な弾き語りを聴かせてくれた。

ただ、ピアノの音が少しおかしかったのと、
客の一部がライブ中にちょっと騒いでたのもあってか、
どこか小谷さんは不機嫌なようにも見えた。


サイプレス上野とロベルト吉野、
この名前も小さいフェスなどでやたら名前を目にする。
最近まで何者か全く分からなかったのだが、
bounceの連載でようやくHIPHOPの人たちと判明。
この連載がHIPHOPを知らない俺にも非常に面白く、
音楽以外の所で期待して待つ。

実際、音楽以外での部分が異常に面白い。
この場所がアウェイである事を十分に理解した上でのステージング。

HIPHOPのカッコ良さ、
外から観たHIPHOPのカッコ悪さ、
客いじりの技術、
全て理解した上で、
居場所が無いはずの所に無理矢理居場所を作ってしまう
その手腕に感服。

恐らくHIPHOP界の中でも
相当アウトサイダーに位置する方々なんじゃないか。
こういうのだったら、HIPHOPでも聴けるんですよ。


HOSOMEというバンドのベースの人は、
B.U.Pのお友達で万化のお芝居にも度々足を運んでいるらしい。
そういう縁もあって、全然知らない人なんだけど、
変な親近感を持って構える。

が、演奏が始まるや突き放された。
音楽的には、何て言うんだろう、
発狂したPOLYSICSとでも言うか、
とにかく世にあるPOPをズタズタに切り刻んで、
超絶な技術で、うんこの形に再構築したとでも言うか。
ホント悔しいが理解が出来ない。

しかし、そんな事故のような音楽は長時間保たないのか、
あっという間に終了。


この時間帯辺りから、
陽が没し、寒さは一段と増し、
スタッフはカイロを100円で売り始める。


怒髪天も前から観たいと思ってたのに、
出演してるフェスにも行ってるのに、
タイムテーブルのせいか、神様のいたずらか(多分前者)、
やはり今回が初めて。
この日そんなのばっかりだな。

前々からライブ巧者の噂だけは聞き及んでいたが、
まさかここまで良いとは。

音楽的には失礼ながら目新しいものは一切無く、
ベタすぎる程ベタな楽曲しかないし、
歌ってる内容もそれ程深いとは思えない、
労働者階級讃歌なんだが、
あまりにステージングが完璧な為に、
その説得力は異常に高い数値。

MCも、言ってる事は、Xやエグザイルに対する揶揄や、
今日あった事、日頃のぼやき、など
やはり大した事ではないんだが、
話術が恐ろしく達者で、
キンキンに冷えている客席から爆笑をかっさらう。

革新だけがロックではない、
名人芸だって立派にロックに成り得る事を証明して、終了。

9mmの後、客がやたら減り、もう帰ったのかと思ってたが、
周りを見渡せば結構な人だかり。
一回外に出て、怒髪天とイースタン観るためだけに
戻ってきやがったな畜生。


こんな若者らしいイベントでありながら、
おっさんバンド2連発。
名前だけは、イースタン・ユース。

昨年もここでイースタン観たな。
最前列で喧嘩が起きてたんだ。
この日の客は非常に大人しく、
またイースタンも爆発するというよりは、
じっくりと演奏を聴かせるといった感じ。

吉野のMCは増子兄に比べれば、
どこか作為的で苦手だが、
改めて3人の演奏を見てみれば、メチャメチャ上手い。
リズム隊の2人の作る鼓動のカッコいい事。
吉野はアンプ2台同時鳴らししてんのかな?

盛り上がりだけで言えば、
怒髪天の方が上だが、
音楽の力という意味では、
こっちがトリで正解だっただろう。
途轍も無い安定感とオーディエンスの信頼、
イベントの最後に相応しい、素晴らしい演奏だった。
(イベント自体は次の日にも続くんだが)


結論、
Sal culture、俺にとっては初物が多く、
不安要素も沢山あるイベントだったが、
終わってみれば、ハズレ無し(唯一□□□は口に合わん)。
非常に素晴らしいイベントであった。

問題は、寒さと客の不入り。
寒さは主催者側の責任では無いが、
客の不入りは演者、客ともにモチベーションが下がる。
勿論、スタッフ一同精一杯やった結果なんだろうが、
営業力はどこに行っても頭の痛い問題なんだな。



孤立無援の花。
インディー時代のアルバムなんだっけ。
エモみたいなよく分からないジャンルが流行った時に、
このバンドも出てきたと思うんだけど、
流行り廃りに流されない良いアルバムだと思います。
ただ、このアルバムからは多分どれもやってないと思います。